生産者インタビュー|株式会社TAGOSAKU(富山県)
富山県の東端、新潟県との県境に位置する朝日町(あさひまち)。
日本海と北アルプス、山海両方に面した自然豊かな地の利を活かし、沿岸部では漁業、平野部では農業が盛んだ。
のどかな田んぼ道を通りかかると、なんとも微笑ましい光景を目にする。
「タ・ゴ・サ・ク・ジャパーン!!」
ランドセルを背負った子どもたちが声を張り上げ、田畑に向かって力一杯手を振っている。
声の先には、にこやかに手を振り返す農作業中の男性たち。農機具に大きく描かれた「TAGOSAKU JAPAN」の文字は、大人はもちろん、子どもたちにもすっかりお馴染みのようだ。
コメを中心に大豆、野菜等の生産を手掛ける、株式会社TAGOSAKUの代表・安達久真さんに、お話しを伺った。
「田植え体験など地元の小中学生と触れ合う機会が度々あるので、そこで顔を覚えて気軽に声を掛けてくれるのは、とても嬉しいこと。将来、農業を志すきっかけになってくれたら良いですね。この地域は昔ながらのご近所づきあいも残っていますし、人と人とのつながりがとても深いところだと思います。いま当社で力を入れているアイガモ農法も、もともとは農業の大先輩である近隣の農家さんにノウハウを教わり取り組み始めたんですよ。」
無農薬栽培の相棒は、可愛らしい小鳥たち
「アイガモ農法」とは、田んぼに放し飼いにした合鴨が雑草や害虫を餌として食べ、その排泄物が養分となり稲が育つという自然のサイクルを利用した農薬や化学肥料を一切使用しない水稲の栽培方法だ。
「農法自体に面白さを感じているのもありますが、最近は食品の味だけでなく、安全性にも気を配る方が増えてきていますよね。当社では、2018年に有機JAS認証を取得し、認定マークを付けて出荷していますので、小さなお子さんをお持ちの方や安全性にこだわる方にも、安心して食べていただけると思います。手間もかかるし大変な部分もありますが、有機農産物として販売できればより多くの方に選んでいただけるので、やりがいがあります。」
富山県内では初めて 有機JAS認証、ASIA GAP認証をダブルで取得
同社では有機JAS認証の取得につづき、翌年にはコメ分野でのASIA GAP認証も取得されている。ASIA GAP認証は、食品安全や環境保全、労働安全など持続可能型の農業を実現するための取り組みだ。これらの認証を両方取得したのは、富山県内で初めてだという。
「持続可能な社会を目指す動きが世界的に強まっていますが、農業も例外ではありません。例えばアイガモ農法もそうですが、より環境負荷の少ない方法を取り入れるなど、まず自分たちが出来るところから取り組んでいます。豊かな自然なくしておいしい農作物は作れませんから。」
GAP認証を取得した農場では、農薬・肥料の適切な使用、周辺環境への配慮、機械燃料の管理などが厳しく求められる。さらには環境面だけでなく、従業員の労働安全、技能実習生の適切な労働条件の確保や男女平等など、人権や福祉への配慮も必要とされ、第三者機関の審査により「信頼できる農場」であることが証明される。
「自然とのつながり、人と人とのつながりを大事にして、より安心でおいしいコメを発信していきたい。自信をもっておすすめできる自慢のコメで、全国のみなさんとつながれたら嬉しいですね。」
この記事でご紹介したアイガモ農法による無農薬米など
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生産者プロフィール
株式会社TAGOSAKU
富山県下新川郡朝日町桜町208番地26
TEL:0765-83-2957
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